しかし、前原誠司・国交相はすでに、

「JALは必ず再生させる」

 と明言してしまった。この大臣発言がネックになる可能性がある。先のコンサルタントが予言する。

「そうなると、3年で終わる企業再生支援機構の支援を法改正で延期し、引き続きJALを支援するしか方法はないでしょう」

「企業再生支援機構」が「JAL保有機構」となって、JALを支援し続ける。これは、JALの永久国有化にほかならない。

 その時こそ、かつての「鶴丸JAL」の完全復活だ。そして、日本の航空産業の破綻の前兆でもある。  

(本誌・三嶋伸一)

■ここが問題「更生計画案」

 今回の更生計画案について、銀行や航空会社の専門家たちからは多くの問題点が指摘されている。主な点をまとめた。

 (1)機材を小型化するだけで搭乗率が85%になるはずがない

 計画案では国際線46路線のうち、20路線の搭乗率が85%とほぼ満席になることを想定している。乗客数が変わらなければ、機材を小さくすれば搭乗率は上がる。しかし、JALが機材を小さくすれば当然、他社は客を奪いにくる。利用客も満員とわかれば、他社へ移る。小型化効果などすぐに消えてしまう。

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