女性なら誰もが避けて通れない更年期。「自分はまだ先」と思っていませんか? しかし、今は30代後半~40代前半から症状に悩まされる人も。変化する体と心を知れば「更年期」は怖くありません。「NPO法人ちぇぶら」代表で、『はじめまして更年期(ハート)40代からの不調が消える心と体のプチ習慣』(青春出版社刊)の著者、更年期トータルケアインストラクターの永田京子さんに、更年期リスクを減らすために、日常生活で取り入れやすい習慣を聞きました。
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■すべての女性が通る道だからケアを
人生の通過点でもある更年期とは、そもそもどのようなものなのでしょうか。
「卵巣から分泌されている女性ホルモンは、加齢に伴って徐々に分泌量が低下していきます。女性ホルモンが低下すると、女性の体にはさまざまな不調が表れるのです。その症状はほてりやのぼせ、発汗や手足の冷え、倦怠感、肩こり、イライラ、うつ、不眠症など多岐にわたり、45歳から55歳まで約10年間にわたり、何らかの不調を感じる女性が多いと言われています」(永田さん)
永田さんが更年期女性のサポート活動を始めたのは、自分が高校生のときに体験した母親の更年期障害がきっかけでした。その経験から、NPO法人を設立。その活動は多くの女性から賛同を経て、今では全国の企業や医療機関、自治体などで講演やセミナーを行っています。
そうした活動の中で、多くの女性と接してきた永田さんが感じているのは、「更年期について事前に知識を持っている女性が少ないこと」だといいます。
「更年期はすべての女性が通る道なのに、更年期がどんなものなのか、そしてどう対処したらいいかを知らない女性が多いということ。例えば、人には言いづらい尿もれやなども、その代表的な症状です。また心にも異変が起こり、自分の感情がうまくコントロールできずに戸惑う女性も多いのです。こうした不調は200から300種類にものぼりますが、多くの方は更年期の症状と気づかずに、その不調をがまんしてやり過ごしていることが多いのです」
症状には個人差がありますが、更年期に入る前に、自分の体がどんなふうに変化するか、そしてそれにどう対処したらいいかを知っておくことはとても重要。更年期の知識があれば、体の変化に驚いたり、戸惑ったりすることが少なくなるからです。