さらに西山さんからは、こんな耳寄りの情報も。

「私の場合、ダイエット冷凍弁当を1日2食のペースで1カ月ほど食べて、食事だけで体重を3キロ落とすことができました」

 高まる期待! 前置きが長くなったが、ダイエットに向く人気5サービスの冷凍弁当合計30食を、2人家族の食卓で約10日をかけて実食してみた。

 結論から言うと、びっくりした。何って、その30食のおいしさだ。冷凍弁当で、それもダイエット向きといえば、ヘルシーで味の薄い病院食のようなものと思ったが、味付けも歯ごたえもしっかり。何なら普通のお弁当屋で買ってくるよりおいしい。

 これまで食事制限系のダイエットでは、料理下手のハンデもあって、悲惨な食生活を忍ぶものの、我慢できずに挫折→あっという間にリバウンドというパターンがほとんどだった。でもこれなら楽勝。メニューの種類も多いので、数カ月続けるのも夢じゃない。

 駅弁マニア用語で言うところの弁面(べんづら:お弁当のビジュアルのこと)も、思っていたのとぜんぜん違った。例えば、人気のnosh(ナッシュ)は、持続可能な紙製(パルプモールド)の容器入りで、代官山あたりで売っていそうな、オシャレなテイクアウトみたいなたたずまい。食べ終わったあと、そのまま燃えるごみに出せるのもいい。

 糖質などを抑えたレシピはシェフと管理栄養士が開発し、サービスをスタートしたのが2018年。当初の売り上げは「月3千食程度」(同社広報・藤原愛さん)だったが、コロナ太り対策でダイエット人口増加の追い風もあって、今年7月は月50万食を売り上げた。

 選べるメニューも、オシャレでバラエティー豊富だ。例えば、人気ナンバーワンの「チリハンバーグステーキ」。肉々しいハンバーグに、ニンジン、ポテト、ブロッコリーなどの付け合わせがたっぷり付く。ハンバーグソースなどの甘めの味付けも、糖質制限中の舌が小躍りして喜びそう。糖質17.6g(304kcal)と、だいたいおにぎり半分程度の糖質で1食が食べられる。管理栄養士の資格を持つ前出の西山さんも言う。

「臨床試験を通した徹底的な栄養管理を行い、糖質と塩分を抑えてたんぱく質が多くとれるように工夫されています。メインの料理は比較的大きく切ってあるので、弁当全体のボリューム感を演出している点も評価できますね」

 例えばおにぎり半分なんかより、栄養バランスがずっと優秀。毎日食べても安心感が大きい。(ライター・福光恵)

AERA 2020年9月28日号より抜粋

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