丸山茂樹
丸山茂樹
この記事の写真をすべて見る
誕生日の週に勝ちきったデシャンボー、おめでとう(Getty Images)
誕生日の週に勝ちきったデシャンボー、おめでとう(Getty Images)

 丸山茂樹氏は、全米オープンでスコアを崩した松山英樹選手、優勝したブライソン・デシャンボー選手について語る。

【写真】おめでとう!誕生日の週に勝ちきったデシャンボー選手

*  *  *

 全米オープン(9月17~20日、ニューヨーク州ママロネックのウィングドフットGC)の最終日、トップに5打差の4位から出た松山英樹(28)は、序盤に崩れて17位でした。

 3日目までのプレーを見て、僕自身も英樹に大きな期待を持ってました。それが最初の4ホールでスコアを五つ落とすとは……。優勝するには大きなラッキーも必要だったりしますけど、少なくとも上を脅かすような存在で4日間を終えるだろうと思ってました。自分の想定が久々に外れちゃいましたね。

 そりゃ人間のやることだし、寝て起きたら違う人になってるのがゴルフの難しさだから、大きな期待をしてしまうのはアレなんですけどね。ちょっとね、あまりにも。

 ああいう序盤の大崩れは、普段だったら絶対起きないですよ。USオープンの厳しいセッティングだと、一瞬の隙にああやって急所を突かれるってのは、よくあることではあるので。それで、次の週になったらケロッと優勝なんてのもあるんですよ。だから何だろうな、10センチ、いや1センチの違いでパットが入らなかったりとか、微妙な心の動揺によったりだとか、突風が体に吹いてきてリズムを崩しただとか、もう100万個ぐらいあるんですよ、プロゴルファーが崩れていく要素ってのは。だから難しいんです。英樹にも、何かがあったと思うんです。

 まあ最後の方はドライバーも立ち直ったし、マスターズまでにもう一回頭を整理してやってもらいたいと思いますね。

 優勝したのはアメリカのブライソン・デシャンボー(27)でした。全米アマチュア選手権とNCAA全米学生選手権で勝って全米オープンも勝ったのは、ジャック・ニクラス(80)とタイガー・ウッズ(44)に次いで史上3人目なんですってね。もう、すごいって言葉しか出てこない。

 彼は試合の始まる前から「このコースはパワーでねじ伏せる」と言って、プレースタイルを一切変えずに有言実行で勝ちきりました。トップに立ったりすれば、リスクの大きいことは回避しようと思うんですけど、ドライバーを思いっきり振り続けたのはすごいと思います。トップと2打差の2位で出て、最終的には2位に6打差をつけました。今回のコースはOBとハザードが少なかったんです。そこをうまく利用しましたね。

著者プロフィールを見る
丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

丸山茂樹の記事一覧はこちら
次のページ