大関昇進が決まり、ガッツポーズする正代 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 大相撲秋場所で初優勝し、大関昇進を決めた正代(28)=本名・正代直也、本県出身。9月30日の伝達式では、人柄を感じさせる口上を述べた。

【写真】大相撲といえば、やはり、この方

「大関の名に恥じぬよう、至誠一貫の精神で相撲道に邁進してまいります」

 正代の両親らとともに上京し、口上を見届けた熊本県の後援会長・金田光生さんは「堂々とした姿勢で、大変頼もしさを感じました」と喜ぶ。

 正代といえば、5年前の新十両昇進の記者会見時に対戦してみたい関取について問われ、「誰とも当たりたくない」と答えたエピソードが有名だ。それがきっかけで“ネガティブ力士”と評されるようになった。

「真面目さゆえのネガティブさだと思っています。お母さんが応援に行くと必ず負けたり、『頑張れ!』という大きな声援があまり好きではなかったりと、人の思いを背負いやすいんだね。あがってしまって緊張するらしいけど」(金田さん)

 鶴城中学時代の同学年で、サッカーJ2のファジアーノ岡山に所属する山本大貴は、かつての正代について「おとなしい印象で、当時は身長も体重も大きいというイメージはなかった」と語るが、活躍は刺激になっている。正代が優勝を決めた27日、山本はリーグ戦で決勝ゴールを挙げた。

「同学年が頑張っている姿を見て、自分も頑張らないといけないと。(27日の)試合直前に優勝したことを知り、自分もやってやろうとゴールを決めることができた」

 今や昔の控えめな印象から想像できない一面もある。金田さんは言う。

次のページ