ジャルジャル・後藤淳平 (撮影/写真部・張溢文)
ジャルジャル・後藤淳平 (撮影/写真部・張溢文)
映画「ロックンロール・ストリップ」は、10月下旬から愛知地区、11月は関東地区と九州地区にて順次公開 (c)木下半太・小学館/タッチアップエンターテインメント
映画「ロックンロール・ストリップ」は、10月下旬から愛知地区、11月は関東地区と九州地区にて順次公開 (c)木下半太・小学館/タッチアップエンターテインメント

 ついに、芸人のトップに上り詰めたジャルジャル。「キングオブコント」で優勝した栄光の裏には、コツコツと積み上げた数々のネタがあった。後藤淳平さんに成功できた理由やYouTubeなどについて聞いた。

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前編/ジャルジャル・後藤「芝居で日常生活では出せない感情を爆発」】より続く

 目の前の後藤さんは、語り口が常に淡々としていて、芸人なのに、「面白いことを言ってやろう」というような気負いが全くない。関西では、子供の多くは将来お笑い芸人を目指すようなイメージがあるけれど、実際にお笑い芸人と会うと、シャイで物静かな人がほとんどだ。後藤さんに、「ジャルジャルが芸人たちの生き残り競争を勝ち抜けできたのはなぜだと思いますか?」と聞くと、少し意外な答えが返ってきた。

「お笑い芸人を始めた頃は、根拠のない自信があったんです。なんでかわからないけど、『絶対成功する』って思ってた(笑)。一発目のエンジン音はめっちゃデカかったと思います。バカみたいに何かに没頭しなきゃならない時って、自分を洗脳することが大事なんですよ。うまく脳を騙して、『自分たちは選ばれた人間やから、成功するに決まってる』と信じ込む。そうすると、少々うまくいかなくても、諦めないでいられるんです」

 とはいえ、20代半ばのオーディションに受からない時期はつらかった。

「一生この生活が続くんじゃないかと思うぐらいのどんよりした毎日が続きました。でも、どこに向かって進めばいいのか、ピントが合い始めたのはここ数年のことです。何を目指しているのかわからないまま、いろんなことに手を出す期間が結構長かったし、YouTubeだって始めた頃は、登録者数も増えなくて、『こんな地味なチャンネル、誰が見に来るねん』とかぼやいてた」

 でも、ある時から決心した。一番好きなことは、自分たちでネタを作って、それを披露すること。だったら、その原点に立ち返って、コントを軸にした仕事だけをやろう、と。

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