唐沢寿明(C)朝日新聞社
唐沢寿明(C)朝日新聞社
織田裕二(C)朝日新聞社
織田裕二(C)朝日新聞社

 米国の人気ドラマ「24」の日本版リメイクの放送が、テレビ朝日系で10月9日から始まった。

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 オリジナル版は2001年に放送が開始され、世界的に大ヒットした。架空の組織の捜査官が、テロと戦う姿を描いた。日本版で主演を務めるのは唐沢寿明(57)。

 近年、日本のテレビ業界では米国ドラマのリメイクがトレンドになっているが、いずれもある共通点がありそうだ。「24」の唐沢をはじめ、「グッドワイフ」の常盤貴子(48)や「SUITS」の織田裕二(52)など、主演はいずれも90年代のドラマを飾った“トレンディー俳優”たちだ。

 ドラマ評論家の成馬零一さんは、米国ドラマは主人公の年齢が高めであることが多く、必然的にその世代が起用されやすいとしたうえで、次のように指摘する。

「日本の『相棒』や『ドクターX』など、職業ものは安定した数字が見込めます。実験的なオリジナルドラマよりも、同系統のものを続けていくという作り手側の“保守的な路線”がトレンド。ドラマ視聴者も高齢化によって保守化しています。その層は、90年代に大ヒットしたドラマを見てきた世代。その意味で、唐沢さんらベテラン俳優の起用はニーズが合致していて、相性はいいと思います」

 トレンディー俳優の実績がある意味で「リスク回避」につながるとするのは、芸能評論家の三杉武さんだ。

「話題作のリメイクには賛否両論がつきもので、『思ったのと違う』とたたかれるリスクも当然あります。実績があり、なおかつ自身の色が固まっている俳優を起用することで、原作と多少ギャップがあっても『これが唐沢版なんだな』と視聴者を納得させる効果があるのではないでしょうか」

 俳優にとって、リメイク出演はリスクも大きいが、見返りもある。

「熱心な原作ファンがいる作品ほど、キャスト側のリスクは高いですが、大きく成功すれば役者としての格はますます上がり、海外にもアピールできる。“ハイリスク・ハイリターン”と言えますね」(三杉さん)

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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