
千葉県の森田健作知事(70)が、来年4月の任期満了に伴う県知事選への出馬を見送る公算が大きくなっている。
森田知事は2009年に初当選し、現在3期目。進退については明言していないが、自民党県連は森田知事の不出馬を前提に、すでに鈴木大地・前スポーツ庁長官(53)の擁立に動いている。森田知事も「良い人をお探しになった」と出馬を容認する考えを示した。
県庁担当記者は言う。
「昨年9月の台風15号で千葉県では大規模な停電が発生しましたが、森田知事は上陸当日、県庁に来なかった。しかも、翌日には公用車で県内の“別荘”に行っていたこともわかり、県民から激しく批判されました」
11年半の森田県政について、ある県議会議員はこう指摘する。
「目立った実績は、1期目に東京湾アクアラインの通行料金を800円に値下げしたことぐらい。基本は、仕事を職員に任せっきり。リーダーシップを発揮していなかった」
新型コロナウイルス対策では、独自の対策を進める知事が多くいた中、森田知事は「国の方針に従って……」と受け身の姿勢が目立った。
「森田知事といえば、俳優時代の『おれは男だ!』の熱いイメージですが、県政に関してはそれはない。議会の答弁も、職員が準備した原稿を読み上げるだけ。堂本暁子前知事が、自分の思い入れが強くて答弁が長くなっていたのとは大違いでした」(前出の県議)
年齢を考えると、森田知事はこのまま政界を引退する可能性が高い。そこでささやかれているのが芸能界への復帰だ。芸能事務所関係者は言う。
「森田知事はサンミュージックの所属タレント第1号で、今でも事務所内では“永久欠番”の扱い。森田知事を芸能界にスカウトした人は現在も役員なので、本人が『復帰したい』と言えば事務所が仕事を探さざるをえないでしょうね」
タレント出身の知事といえば、東国原英夫・元宮崎県知事がいるが、ワイドショーのコメンテーターとしてよく登場している。しかし、前出の県議は、台風の際の森田知事の対応を挙げ、こう語る。
「コメンテーターになったとしても、番組で危機管理の話のときに、説得力のあるコメントができるのでしょうか?」
(本誌・西岡千史)
※週刊朝日 2020年10月30日号