タカラトミー公式ツイッターはツイートを削除して謝罪した
タカラトミー公式ツイッターはツイートを削除して謝罪した
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10月27日現在で残っているタカラトミー公式ツイッターのツイート。このツイートにも「不快だ」という声が上がっている
10月27日現在で残っているタカラトミー公式ツイッターのツイート。このツイートにも「不快だ」という声が上がっている
作家の北原みのりさん
作家の北原みのりさん

 タカラトミーの公式ツイッターに対し、抗議の声が上がっている。炎上したのは「某小学5年生の女の子の個人情報を曝露しちゃいますね」というツイート。同社はすでにツイートを削除し、謝罪した。作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」は今回、フェミニストの視点でこのツイートの問題点を掘り下げる。

【画像】なぜパンツを?こちらも不快という声があがったタカラトミーのツイート

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 チコちゃんファンには申し訳ないが、あの番組が少し苦手だ。ボーッとせずに自分の気持ちに向き合えば、それはやっぱりチコちゃんが“5歳の女の子”だから、なのだと思う。幼女に怒られて大人たちが癒やされる……という仕掛けを素直に楽しめないし、幼女をオジサンが演じているのも、もやもやする。「永遠の5歳」というコピーも、どこか重たい気持ちを誘う。私同様チコちゃん嫌いの友人は、「女性が本当に怒った時はつぶそうとするのに、幼女の無邪気なお叱りには喜ぶんだよね」と喝破していたが、「小さな女の子に思い切りののしられたい」的なオジサンの妄想を、中身オジサンの女の子がサービスしているように、フェミ的には見えてしまうのだ。

 ロリコンとはただ女の子を性的に搾取する行為ではない。女の子を美化したり、時に同化したりと、都合よく女の子の主体を奪う行為なので。

 と、そんなことを考えるのも、やはり先週のタカラトミーの公式ツイッターに衝撃を受けたからだ。1960年代以降生まれの女性だったらきっと誰もが知っているはずの「リカちゃんでんわ」の広報に絡めて、タカラトミーの公式ツイッターが「(とある筋から入手した、某小学生の女の子の個人情報を暴露しちゃいますね…!)」とツイートした。ツイートには電話番号を並べ、ご丁寧にリカちゃんの体重や身長も紹介されていた。

 性犯罪者目線のテキストにはさすがに抗議が殺到し、タカラトミーは該当するツイートをすぐに削除はしたが、後味の悪さは削除されたからといっておさまるものではない。むしろじわじわと気味悪さが募っている。          

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#パンツの日にもツイート