菅義偉首相が強く求めてきた携帯電話料金の値下げ。大手3社がいよいよ重い腰を上げ始めた。
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大手が宣伝する5G(第5世代移動通信システム)対応の大容量プランは現在、家族利用や期間限定などの割引を除くと、NTTドコモが税抜き月7650円、auが同8650円、ソフトバンクが同8480円だ。
社会保障経済研究所の石川和男代表が指摘する。
「一般人には5千円が一つの指標で、大手がこれを切れば評価される」
そこでauを展開するKDDIと、ソフトバンクは10月28日、データ通信量が多い人向けの容量20ギガバイト(GB)でそれぞれ月3980円、4480円(ともに税抜き)の安価な料金プランを発表した。ただし、いずれも格安携帯の“サブブランド”を通じたサービスで、KDDIは「UQモバイル」、ソフトバンクは「ワイモバイル」で始める。
一方、動向が注目される最大手ドコモ。同社を完全子会社化することを明らかにしたNTTの澤田純社長は、グループ内の効率化で値下げ余力が出るとの認識を示した。
スマートフォンに詳しいジャーナリストの石川温さんは、ドコモも格安のサブブランドをつくる可能性があると見る。ドコモ本体は「月1千円値下げすると、年5千億円の収入が飛ぶ」(石川温さん)とされ、月2千円だと「赤字になる」(調査会社MCAの天野浩徳代表)からだ。