愛着のある土地が、相続で悩みの種に――。2015年からの相続税増税で、あなたの家族にもそんな事態が起こるかもしれない。円満な相続のためには、所有している不動産をよく知り、うまく活用することが大切だ。
自公両党が1月下旬に発表した税制改正大綱には、2015年1月から相続税の基礎控除を縮小することが盛り込まれた。都市圏を中心に、新たに相続税を支払う世帯が増えるとみられ、相続税対策への関心は高まる一方だ。
国税庁の統計によれば、相続財産の構成比(11年)で最も大きいのは土地(46%)だ。これまで1万件以上の相続相談に対応してきた公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士の曽根恵子さんは、「これからは納税も節税も、不動産で考えなければいけない時代になります」と、注意を促す。
専門家への問い合わせで最も多いのが、「ウチは相続税がかかるのかどうか知りたい」 というものだ。
税理士法人レガシィのマネージャーコンサルタント、黒部利之さんが語る。「まず自分にどういう影響があるのかが気になり、自分の財産はいくらかという疑問に変わり、その財産に税金がかかるのか、という話になっていきますね」。
15年からは基礎控除が4割減になるので、「3千万円+600万円×法定相続人の数」を超える遺産があれば、相続税が発生する。たとえば父が亡くなり、母と子2人が相続する場合、遺産が4800万円を超えると相続税がかかってくる。
※週刊朝日 2013年2月22日号