
皇太子さま53歳のお誕生日に発表された写真と動画はあまりに寂しいものだった。例年、一緒に写っていた愛子さま(11)や雅子さま(49)の姿はなく、ぽつりとお一人で立っているだけ。宮内庁は撮影日に愛子さまがインフルエンザだったと説明しているが、体調が回復しても撮り直さなかった。皇族の誕生日に公表される写真は、一家全員が写っているのが恒例で、異例の一枚となってしまった。皇太子家に何が起きているのか。
さかのぼること3カ月半前の昨年11月7日。葉山御用邸(神奈川県葉山町)に隣接する葉山しおさい公園に、皇太子ご一家が姿を見せた。
静養中の取材が認められたのは、実に9年ぶりだ。前回は愛子さまが1歳だった2003年。その年の暮れ、雅子さまが療養生活に入られたのを境に取材できなくなった。
宮内庁は久々に取材を受けたものの、「適応障害が良くなったわけではない」とする。昨年12月9日の雅子さまのお誕生日に公表された東宮職医師団の「見解」によると、「引き続きご治療が継続する状況」だ。一昨年秋から昨年夏にかけてはお疲れがあったが、夏にゆっくりとご静養されたため、昨年9月以降、少しずつ公務に取り組まれるようになった、という。一昨年、雅子さまは被災3県を慰問した。登校が難しかった愛子さまの付き添いもしていた。その疲れが1年近く続いたのか。
この1年の雅子さまの主な公務を見ると確かに昨年10月以降、少しずつ公務が入っているが、高齢で体調もすぐれない皇后さまが宮中晩餐会や地方公務などを精力的にこなしているのと比べると、従来関心が深い分野に限られ、国民と接する場面は乏しい。場所もお住まい周辺で、5月に訪英する天皇、皇后両陛下の見送りに羽田空港を訪れたのがもっとも「遠方」の公務だった。
最近の雅子さまの様子を宮内庁関係者はこう解説する。
「以前は、小和田家の妹たちがひそかに東宮御所を訪れていましたが、最近はそれも減りました。数年前のように、外食に出かけることもなくなりました」
お住まいに詰める宮内庁職員にも、心を閉ざしているという。
「隣り合わせの建物にいる東宮侍従にも『雅子さまとは一度も話したことがない』という人がいます」(前出の関係者)
一般の侍従はおろか、皇太子家を担当する東宮職トップの小町恭士東宮大夫も「雅子さまとお話ができない」状態。ご意見できる人物がいないのも「お一人写真」の原因かもしれない。
※AERA 2013年3月4日号