枝野:経済を気にするのはわからないではないですが、感染が広がれば何をやっても経済は動かなくなる。感染拡大抑制への対応が一貫して弱いと思います。

田原:今、国民が最も関心があるのは東京都の対策だけど、小池百合子知事も菅首相も極めてあいまい。65歳以上や基礎疾患がある人に自粛を要請したけど、感染は職場や家庭など現役世代周辺で起きている。なぜこんなにあべこべなのか。

枝野:全体を止めてしまうと、観光業者や飲食店に対する補償をたくさん積まないといけなくなる。それが一貫して嫌なんでしょう。

田原:なんで嫌なの。

枝野:財源を心配する財務省からブレーキがかけられている、あるいは何とかなるだろうという楽観。そのどちらかでしょうね。明確に止めてしまうことによる損失の責任を問われたくないから、常に楽観論に立ってあいまいな形で国民に自粛を要請する。

田原:国民に気をつけろと、そればかりだ。

枝野:若い人はリスクが小さい分だけ自粛せず、若い人が自粛をしなければ家庭や職場を通じて感染は拡大します。現にこれだけ感染が拡大していれば、高齢者だけを自粛させても感染は抑制できません。だから、小池さんと菅さんの言う「65歳以上」はまったくのナンセンスだと思います。

田原:なんでこれほど無意味なことを平気で言えるのか。

枝野:Go To全体を止めたくないというのがあるからです。止めてしまえば、Go Toが失敗だったと言われる。

田原:Go Toを始めた当初、いろいろと取材してみると、安倍さんや西村康稔経済再生担当相はあまり賛成ではなかった。Go Toを言いだしたのは菅さんと、観光業界と関係が深い二階俊博自民党幹事長だよ。

枝野:そのようですね。観光業者の方の気持ちもよくわかります。われわれも観光関連の方々から、Go Toについてネガティブなことを言わないでほしいと言われたことがあります。ですが、感染が広がってしまうと長引いてしまう。これ以上広がらない範囲でやろうと思えば、補償をちゃんと積みましょうということです。

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