「中国製冷凍ギョーザ中毒事件」から5年がたったが、食品衛生法に違反した輸入食品は後を絶たない。また、輸入食品には安全面だけでなく栄養面でも問題があるようだ。NPO法人「食品と暮らしの安全基金」の小若順一代表は、コンビニやスーパーの弁当、総菜、外食チェーンの料理などを検査機関に持ち込み、栄養価を独自に調査した。その結果、食品成分表に示されている数値より栄養価が格段に低い商品が少なくなかったという。

「例えば、野菜サラダやレトルト食品に使われるカット野菜は、次亜鉛素酸ナトリウムやお湯で丁寧に洗浄されているため、本来の栄養分が流出してしまいます。これが輸入のカット野菜になると、現地で入念に洗い、さらに国内で調理する前にも洗うので、栄養価はほとんど失われるでしょう。栄養の抜けた食材を使った食事やお弁当で、健康は維持できません。安全性ももちろん重要ですが、外食する際は、食材を一から調理している店かどうかなど、栄養面にも気を使ってください」
 
週刊朝日 2013年3月8日号