数々の名演技で知られる女優の室井滋さん。最新作「大コメ騒動」では、爆発ヘアのオババ役を熱演中。作家の林真理子さんが、共演した女優たちとのエピソードや舞台となった富山県のことなどをうかがいました。
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林:お久しぶりです。何年ぶりかしら。
室井:十何年ぶりかな。雑誌の対談でお会いしたんです。そのとき林さんに「お洋服はどこのブランドのを着てらっしゃるの?」って聞かれて、「私、ブランドものは興味なくて、あんまり持ってないんです。でも、親戚にすすめられて一着だけ50万円ぐらいするコートを持ってます」と言って自慢したら、それが林さんがお好きなブランドだったんですよ。
林:ジル・サンダー?
室井:そう。それが昔、ある美しい女優さんが、俳優さんの彼と海外旅行に行ってスキャンダルになって、帰ってきたとき二人並んだ写真がスポーツ紙の1面に載って。写真を見たら、その女優さんが着てるコートが、私が持ってるコートと一緒だったの。
林:まあ!
室井:帽子を目深にかぶって、すごい素敵で。「ああ、このコートは、こういうふうに着るものなんだ」って思った。そのことを林さんにしゃべったら、林さんが「女優さんに同じものを売るなんて、ジルの店員さん、ダメじゃない」とおっしゃって、そのあとジルの担当の方にご注意いただいたみたいで、その話が回り回って私のところに来たんです。
林:あら、そんなことがありましたっけ。でも女優さん二人に同じものを売るのはよくないですよ。私も、コートを買ったら同じコートを萬田久子さんが着てて、「ごめんなさ~い!」みたいなことがありました(笑)。
室井:林さんはいつもオシャレですよね。すごいんですか、洋服ダンスの中は。
林:センスがない分、お金かけてます。
室井:でも、いいものはいいですよね。私はボロばっかり着て、ひどすぎるからよくないなと思いますよ。
林:ひどいなんて、そんなことないですよ。わりとナチュラル派テイストのものをお召しですよね。似合ってるからいいじゃないですか。
室井:ラクなのが一番なので……。すいません、いきなりそんな話になっちゃって(笑)。
林:今度の映画「大(だい)コメ騒動」、拝見しましたよ。富山の女性たちの「米騒動」の話ですけど、これは史実に基づいてるんですか。