林:井上真央さんとか夏木マリさんとか鈴木砂羽さんたちの「おかか」も、みんな顔を黒く塗って、女優さんとしては思い切ったメイクでしたね。

室井:顔に黒いのをつけると、洗っても取れないんですよ。出演者は私以外、きれいな人ばっかりだから、皆さんとっても気にされてました。私なんか、金歯の装着がだんだん面倒くさくなってきて、金色の色紙をときどき歯に貼ってましたから(笑)。

林:アハハハ。映画には富山の方がたくさん出てるんですね。柴田理恵さんとか。

室井:はい。立川志の輔さん、私、左時枝さん、西村まさ彦君……。富山人が何人も出てます。

林:監督も富山の方?

室井:そうです。志の輔さんは語り部みたいな役なので、この中で富山弁をしゃべってないのは志の輔さんだけなんです。富山弁ってすごく難しいんですよ。だから真央ちゃんとか夏木さんとか、県外出身の方はとてもよくやってらっしゃるなと思う。

林:ロケは富山で?

室井:オール富山。あとは京都のオープンセット。

林:へぇ~、みんなで過ごす富山の夜も楽しそう。

室井:まだコロナもなかったころだったから、みんなで飲みに行ったりして楽しかったです。でも、真央ちゃんは偉くて、ご飯もぜんぜん食べないんです。「米騒動だから、米抜きしてる」と言ってどんどんやせていって、「偉いねえ」って言いましたよ。目がギロギロして、ただでさえ大きなお目めが、すごく大きくなって。

林:白目がパカッと光って、すごい迫力でした。

室井:でも、夜にお酒は飲んでました(笑)。日本酒が大好きなんだって。

林:富山はお酒もおいしいですもんね。お魚もキトキト(新鮮)で。

室井:はい。今はカニと寒ブリが最高の季節です。

林:この映画、富山愛がいっぱい詰まってますね。

室井:私は米騒動が起きたエリアの出身なので、女優としてどうこうではなく、キザなことを言えば富山県愛というか、富山の女の人の気質、DNAが私にもあると思うし、「おばば」の役を私にやらせていただいたことは、よかったんじゃないかと思ってます。

林:ふところの深さというか、リーダーとしての気質が「おばば」から出ていて素敵でしたよ。このイヤな世相を吹き飛ばすような、気持ちがパッと明るくなって、爽快感がある映画ですね。

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