中国で製造した新型コロナウイルス感染症の未承認のワクチンが日本国内に持ち込まれ、企業の経営者27人以上が東京、大阪などで接種していることが、本誌の取材でわかった。
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大阪市内にあるクリニックに1月中旬、やって来たのは不動産会社を経営する63歳の社長だ。
「コロナになったら商売になりまへんわ。ワクチン打って防げる、重症化しないなら安いもんやろ」
こう言いながら、椅子に腰を掛けた。応対するのは、上海出身の日本語堪能な中国人の企業家だ。普段は、日本と中国、互いに進出を希望する企業のコンサルタント業を手掛ける。名刺には中国と日本、東南アジアの
3つの会社名が記されていた。
中国人コンサルタントが、社長に差し出したのは、<同意書>というタイトルの書面。「COVID-19、新型コロナウイルスワクチンを同意の上で接種する」という内容が記されている。
「これにサインだけして」と不動産会社社長に中国人コンサルタントは言った。
「写真を撮っていいか」と記者が聞くと、「写真はダメ、勘弁してください。いろいろあって誤解されるといけないから」と断られた。
社長が接種したのは、中国のシノファーム社が開発した新型コロナウイルスのワクチンだ。社長が診察室に入ると、白衣の医師がやってきた。
「今日は一人だけ?」
医師が中国人コンサルタントに聞くと、「そうですね。来週は5人います」と答えた。医師が診察室か持ってきたのは、透明な容器に入っていた、ワクチン。事前にインターネットなどで調べた通り、シノファーム社と同じものだった。そこには<COVID-19 人免疫>というステッカーが見えた。
医師は注射器を取り出すと、手際よく消毒をして、社長の腕に針を刺した。透明の液体が社長の体内に注入されていく。
「はい、終わりました」
こう言う医師に社長は尋ねた。
「これほんまに効きます、先生?」
すると、中国人コンサルタントが割って入ってこう答えた。