4月から『間違われちゃった男』(フジテレビ系)に主演する古田新太さん。“女性の下着”問題をこう語る。
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この間、ある女優と飲んでいた。「古田さん、女子の下着って、上下お揃いの方がいいですか?」。何だこいつ、おいらに気があるのか? おまいの下着姿を見せたいって事か? 「いや、違うんですよ。この間、彼氏に『お前今日、ブラとパンツがバラバラだよな』って言われたんです」。ふむ、成る程。よく女の子って、勝負下着とかって言うよな。しかし同胞諸君、彼女や奥さんの下着憶えてる? おいらは、全く憶えていない。中身でしょ。下着の下でしょ、肝心なのは。エロい意味でも、ハートの部分でも。
中学生の頃だ、うちのクラスではパンツの見せ合いが流行(はや)っていた。窓際のカーテンにくるまって、3、4人でズボンやスカートを捲(めく)って、お互いのパンツを見せ合うのだ。その時の一番人気は、石原さんという女子だった。中学生のくせに、黒のレースとか、赤のハイレグとかを穿(は)いていて、大いに盛り上がったものである。石原さんは、どうやらこの遊びが好きだったようで、お母さんの下着を勝手に借りて穿いてきていた。後にバレて、凄く怒られたらしいが、そんな事より「そんなセクシーな下着を石原さんの綺麗なお母さんが穿いていたのか」という事に、おいら達は大いに興奮した。
そうなのだ、誰かに見せるという大前提があれば、凝った物を穿く、着けるという意味もあるのだ。が、元々下着というのは、下に着ける物であるので、見せないという事なのだ。じゃによって凝る必要は無い物なのだ。の、筈(はず)なのに、可愛い格好いい物を着けるのは何故だ。
そこで、先の話である。「う~ん、おいらは別に気にしないなあ。それに、ブラとパンツって別々に買う時だってあるだろう?」「ハイ、でも『ブラとパンツの柄が違うと、冷めるんだよな』って言われちゃったんです」。んだと、別れろ、そんな彼氏別れちまえ。柄が揃ってないだけで欲情できないんなら、それはお前は愛されていない。そいつは下着が好きなだけの奴なのだ。と言おうとした瞬間、通り掛かりのイケメン俳優が「俺、ブラとパンツがお揃いじゃない女の子に当たった事が無いですね」。バーカ、お前、そんなに下着の事憶えてんのか。どんだけ記憶力がいいんだ。え、もしかしておいらの記憶力が悪いのか? 普通みんな、パートナーの下着を憶えているものなのか?
※2週刊朝日 013年4月5日号