岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
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撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
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 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、石川県の能登島の「港の猫」です。

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 能登島の東部に位置する鰀目(えのめ)漁港。早朝の荷揚げ時におこぼれをもらうため、猫が集まると聞いて訪れた。

 立山連峰を背景に、凜々しく堤防の上に立ち、漁港を見渡す野良のオスがいた。競争相手の多い漁港で、春まだ遠い厳冬の季節から、メスを求めて歩き回っているようだ。少し離れた高台の神社でも会って、行動範囲の広さに驚いた。

 能登の冬の空は変わりやすく、すぐに雪が舞う。雲が割れると、束の間の晴れを愛おしむように、猫たちは活発に行動する。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2021年2月5日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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