「文章にするうちに『自分はここに違和感があったんだな』と感じたり、『考えを改めたほうがいいかな』と思うようになったり。自覚するだけでも一歩前進かなと思いますし、とても面白い作業だな、と」
新しいこと、珍しいことが好きで「初めて」にはなんでも挑戦したい。「自分はこうだ」と決めてしまうのがたまらなく嫌なのだという。
「たとえば大きなワインショップに行ったら、『こんなにも種類があるのだったらいろいろなものを試してみたい』と思うタイプ。私が経験してきたことなんてたかが知れている、という思いもあります。きっと世の中にはもっと素晴らしいものがたくさんある。いつもそう思っています」
(ライター・古谷ゆう子)
■八重洲ブックセンターの川原敏治さんオススメの一冊
『ランキング 私たちはなぜ順位が気になるのか?』では、使う側も試されている「ランキング」についての考察が繰り広げられる。八重洲ブックセンターの川原敏治さんは、同著の魅力を次のように寄せる。
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情報量の多さゆえ、すべての情報を個人で整理することが難しい現代社会。それだけに、ランキングやリストの社会的影響は非常に大きく、我々のあらゆる行動に影響している。もはや、ネットショッピングでも口コミや人気ランキングがなければ、商品を選ぶことも難しいくらいである。
ただし、ランキングは良いことばかりではない。なぜなら、順位にこだわるあまり、本来の目的を見失うこともある。また、ランキングそのものが客観的ではなく、立場によって変化したり、データの改竄などの不正な操作が行われていたりする可能性もあるからだ。
本書では、ランキングをそのまま鵜呑(うの)みにすることなく、ランキングを使う際の向き合い方、利用方法のヒントを紹介。ランキングを使う側も常に試されているのだということを教えてくれる。
※AERA 2021年2月8日号