プロ野球選手ともなれば、子供の頃から飛び抜けた運動能力を発揮し、野球はもとより、異種競技でも「神童」「天才」と呼ばれた者も多く存在する。
【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!
今季でプロ3年目を迎える中日・根尾昂もその一人だ。
岐阜県吉城郡河合村(現飛騨市)出身の根尾は、河合小学校2年のときに、3歳年上の兄の影響を受け、地元の古川西クラブに入団したのが野球人生のスタートだった。
古川中時代には、飛騨高山ボーイズの投手兼遊撃手として活躍し、3年時に最速146キロをマーク。“スーパー中学生”として注目された。
その一方で、小学5年のときに全国小学生陸上大会の100メートルで全国5位。中学2年のときにはスキーの回転競技で、2位に合計タイムで1分近い差をつけて全国優勝し、イタリアで開催された国際大会にも出場するなど、スポーツ万能の身体能力をいかんなく発揮した。
スキーは野球よりずっと早く2歳のときから親しんでおり、もし野球の道に進んでいなければ、アルペンスキーの日本代表として冬季五輪に出場していたかもしれない。
さらに中学時代は、学業でもオール5の秀才だったことから、“飛騨の神童”と呼ばれ、高校進学に際しては、慶応高からも勧誘を受けていた。将来は慶大医学部に進んで両親と同じ医師になる選択肢もあったはずだが、本人は中3の夏前に大阪桐蔭高への進学を決めた。
試合のたびに岐阜の山奥から名古屋まで車で送り迎えしてくれた両親のために「プロ野球選手になって恩返ししたい」という気持ちからだった。
プロ入り後の根尾は、2年間通算で25打数2安打0打点の打率0割8分とまだ結果を出していないが、高校時代に同期だったロッテ・藤原恭大の昨季の活躍に「負けたくない」と刺激を受け、3年目の開花を期している。
陸上競技では、根尾以上の実績を誇る選手も少なくない。よく知られているのが、阪神の外野手・島田海吏だ。
熊本・鶴城中学時代は、軟式野球部に所属しながら、俊足を買われて陸上の大会にも出場。県大会の男子100メートルでは、11秒01の好タイムで優勝している。