今夏の目標は東京オリンピック出場。そこにたどり着くためにはトップランカーの石井美樹(荒井商事/湘南ベルマーレ)・村上めぐみ(オーイング)組は、最大のライバルとなるだろう。昨年コロナ禍で唯一開催されたトップツアー大会「マイナビ ジャパンビーチバレーボールツアー2020 立川立飛大会」でも決勝戦で顔を合わせた。ベテランvs若手の注目カードとなったが、ストレート負けを喫した。
「石井・村上組は組んでいる年数からいっても、プレーの正確さはピカ一です。私たちはそこで勝負するのではなく、いかに相手を迷わせることができるか、プレーの引き出しの数で勝負。プレー中に選択肢が何通りでも戦術を展開して、相手の正確性をそぐようなビーチバレーを展開できるかがカギを握っています」
戦術のバリエーションの基礎となるのは、抜群のボディコントロール。どんな体勢からでもアップテンポにボールをつなぎ、大きな武器であるサウスポーからすばやく攻撃を繰り出す。そんな鈴木の変幻自在のプレーを後押しするのは、応援の声である。
「応援してもらえるのは本当にうれしいので、ファンの皆さんにもぜひ推しのペアを見つけていただき、楽しんでほしいです。手作りのウチワなど応援グッズを会場で振っていただけたらこちらも見つけやすいですね。コミュニケーションを図れる機会があったら、ぜひ感染対策をしたうえで交流できれば、と思います」
太陽の光がふりそそぐビーチで華麗に身をこなし、そしてファッショナブルに。鈴木千代のプレーから目が離せない。(文・吉田亜衣)
●吉田亜衣/1976年生まれ。埼玉県出身。ビーチバレーボールスタイル編集長、ライター。バレーボール専門誌の編集 (1998年~2007年)を経て、2009年に日本で唯一のビーチバレーボール専門誌「ビーチバレーボールスタイル」を創刊。オリンピック、世界選手権を始め、ビーチバレーボールのトップシーンを取材し続け、国内ではジュニアから一般の現場まで足を運ぶ。2021年4月、ビーチバレーボールスタイルWEBサイトをリニューアルオープン予定。