コロナ禍の不安な状況で結婚を延期した方たちもいると思います。また初婚の平均年齢も上がっています。30歳まで、30歳のうちにというご自分たちの気持ちを優先され急いで結婚されたら、多くの国民は眞子さまと小室さんを心から祝福できないでしょう。眞子さまをお育てになった秋篠宮家にも、そのマイナスの印象はずっとついてまわります。
仮に、小室さんと米国で生活をすれば、日本にいる国民の声は聞こえないかもしれません。でも、それで日本の皇室に何も影響はないのでしょうか。
――日本の皇室は国民から敬愛を受け、長きにわたり象徴天皇制がうまく機能しています。なぜでしょうか。
近重:少し話はそれますが、日本人とは不思議なもので、若いころはさほど皇室に興味がなくても、年齢を重ねるにつれ、皇室に関心を持ってくる人が多くなるのです。実は私も20代のころは、皇室に興味がありませんでした。
しかし、30年にわたり皇室取材を続けるうちに、なぜ、日本の皇室がこれほど国民から敬愛されるのか、徐々にわかってきたのです。
皇室のお務めといえば、国際親善の場や、オリンピック、国体などの開会式や大きな催しへの出席など華やかな場面が報道されます。もちろんそれらの公務も大切ですが、テレビで放映される姿だけが皇室としてのご活動ではありません。被災地の慰問では、膝をついて被災者と同じ目線になって、被災者の声にずっと耳を傾けてこられました。福祉施設や、高齢者施設、小児科病棟なども訪問され、少人数の入所者との交流をお続けになっています。そうしたお務めを何十年も続けてこられているのです。こうしたご交流の積み重ねを行ってきた皇室の方々の尊さに、敬愛の念が生まれるのです。
国民から敬愛されることは象徴天皇制にある皇室には大切です。そのことを、天皇皇后両陛下、上皇陛下、美智子さま、そして秋篠宮殿下と紀子さま、他の皇族方も大切にされ、ご自身を律して過ごされています。平穏なときであっても、現在のように不安が世界中に蔓延しているときでも、国が安らかであるように、国民が安心して暮らせるようにと常に願い、祈られているのです。