今季は本格的な活躍が期待される中日・石垣雅海 (c)朝日新聞社
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中日は確実に優勝候補だよ」

 チームが強かった時代を知る名古屋のレジェンド宇野勝は、古巣の大躍進を信じている。11年以来遠ざかっているセ・リーグ優勝へ向け“欠かせない”若手の台頭について語ってくれた。

「10年も勝っていないのは長過ぎだね。その間の中心選手もベテランになって来たけど、まだまだ動ける。その中で20代の選手が結果を残し、レギュラーを奪えば良い。選手層が厚くなり強いチームになる」

 中日には潜在能力が高い20代の選手が多く揃う。ドラフトでは他球団も欲しがった好素材を効果的に集めて来た。彼らのブレークこそ、強豪復活への最短ルートだ。

 宇野がやはり注目するのは、18年ドラフト1位の根尾昂(21歳、大阪桐蔭高)と、翌19年の1位・石川昂弥(20歳、愛知・東邦高)の2人だ。プロ入り時には、早い段階で活躍できるとの声もあったが、ここまでは二軍中心でレベルアップに励んでいる。

「一軍の試合に出ること。二軍では黙っていても結果を出せるはずだから、上にいないと意味がない。一軍で自分の思った通りにやる。2人とも、変な部分で野球を丁寧にやっている。まとまった形でやることにこだわり過ぎている。わがままに自分を出してみても良い」

~守備位置に拘らず試合に出ろ(根尾)

 根尾は高校時代に投打の二刀流で騒がれ、4球団競合の末に中日に入団。1年目はファームで打率.210、2本塁打、33打点の成績で一軍デビューも果たしたが、2試合出場で2打数無安打というものだった。2年目も二軍生活が長く、一軍では9試合の出場で23打数2安打に終わった。そろそろ結果も欲しい3年目はキャンプから好調を維持しており、外野起用も検討されている。

「立浪(和義・臨時コーチ)に教わって、バットも振れるようになった。打撃の形は良くなりつつあるから、遊撃だけでなく試合に出ること。ポジションは二の次。もちろん京田(陽太)を超えられるなら、それが1番だろうけどね。福留(孝介)も来たから、内野から外野へ転向した経験談を聞くのも良い」

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他に宇野が注目する若手は?