俳優 池田エライザ(撮影/写真部・小黒冴夏)
俳優 池田エライザ(撮影/写真部・小黒冴夏)
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 俳優、モデル、歌手。さまざまなジャンルで活躍するが、肩書に縛られることに違和感を覚えている。池田エライザは「考える人」だ。自分の感覚を大切に生きる。AERA 2021年3月29日号から。

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——コロナ禍であっても、とどまることを知らない。俳優、モデル、映画監督、歌手……。八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍は、肩書を何にすべきか悩むほどだ。

池田エライザ(以下、池田):どれも借り物みたいな感じで、自分の中で決まってないんです。「女優なのに、モデルなのに、歌手をやってる」と言われても、「女優とかモデルとか決めてない。決めなきゃいけないの?」みたいな感じです(笑)。

 でも、だからといって、アーティストや表現者とも違う。日本語の言葉の力は強くて、表現者というと、表現者というカテゴリーになってしまったり、アーティストというカテゴリーになってしまったり。個性が個性派とか個性的というカテゴリーでしかないような。難しいですが、「俳優」でいいんじゃないですか(笑)。

 ただ、音楽に関しては、ここ3、4年ずっと自分の曲を作ろうと、チームみんなで練っています。ふとしたときに聴いてもらえるようなものだけ作ればいいかなと思っていたんですが、音楽番組に呼んでいただいたり、リクエストをいただいた曲を誠心誠意覚えるということをやったりしていくうちに、モニター越しにいる一人ひとりに幸せな気持ちになってもらうのはいいことかもと思うようになりました。そういうことを意識した音楽作りというか、制作環境みたいなものに、力を入れています。

——取材前に読んだ数々のインタビュー記事から抱いた印象は、「考える人」。話を聞いてますますその印象を強くした。

池田:事務所では自分の考えを伝える場を設けていただいています。私は勉強することが好き。知識欲が旺盛なんです。「何それ、面白そう! 勉強したい!!」と子どものような感覚をずっと持っているので、それをみんなで「せいの」で話し合ったり、ぶつけ合ったり。ずっとそうやってきています。

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