ミッツ・マングローブさん
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イラスト/ミッツ・マングローブ
イラスト/ミッツ・マングローブ

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、V6について。

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 SMAP解散、タキツバ解散、嵐活動休止、長瀬智也退所、山P退所、少年隊の事実上解隊、すべて私なりに気丈に受け止めてきたつもりでした。しかし先々週の金曜日。「V6解散」の一報を知った時には、膝から崩れ落ちるようなショックと落胆に見舞われ、いまだに動揺している次第です。

 さすがにこれは無理。昨年の25周年記念配信ライブを観たばかりで、しかも「これはまだまだ続きがあるな」と感じたばかりだったので。喪失感や惜念は、自分の中で静かに噛み締めるものだと思ってずっと生きてきた私ですが、出来ることならばツイッターで、「V6ロスぅー! ピエン!」などと呟きたいぐらいの気持ちです。

 SMAP以降、アイドルの寿命は延び、「10周年」はおろか、「20周年」を迎えるアイドルも不思議ではなくなりました。元来アイドル歌手というのは、移り気な世間の熱量によって、時代の一瞬を凄まじいスピードで駆け抜けていく存在だったはずが、いつしか「アイドルは消えない」という世の中になり、そんな矛盾の中でアイドル本人たちもまた、「終わりの見えない務め」を10年、20年と続けることに邁進してきました。

 私も気付けばアイドルに、とりわけジャニーズには「永久性」を求めるのが当たり前になっていたような気がします。30代、40代になっても「アイドル」という職業や文脈をまっとうする彼らの姿に、若干の違和感を覚えつつも、喜んで消費をし夢を見てきました。また、確かに、欧米でもTAKE THATやBACK STREET BOYSなどが再結成をし人気を博していますが、ずっと現役のままアイドルが20年も存在し続けているのは日本だけかもしれません。ジャニーズに限らず、DA PUMPやMAX、w−inds.なども20年選手。モーニング娘。もメンバーを新しくしながら20年以上、AKB48も昨年15周年を迎えました。ピンク・レディーが5年(その後再結成あり)、シブがき隊が6年、光GENJIが8年で駆け抜けていった時代には考えられない状態になっています。

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