建設業や製造業など男中心だった職場は細り、医療・介護など女性が活躍する職場が広がりつつある。女性の社会進出が叫ばれるなか、男が「家庭進出」をすれば、女性の雇用が拡大しそうだ。もしかすると男性にとっては、妻に食べさせてもらう「妻食男」を目指すのもひとつの選択肢になるかもしれない。
ただし、現実はそれほど甘くはない。女性の94%が、結婚相手の男性を選ぶ時、経済力を指標としている(国立社会保障・人口問題研究所の調査)。そう、お金を稼げる男なのだ。 望みは、残り6%の女性たち。その中から、稼ぐオンナをどうやって見つけるのか。
JR御茶ノ水駅に近い大学院に在籍していた男性は、数年前、看護師と合コンし、その中で意気投合した一人と結婚。その後は、お金の心配がなくなり、研究に打ち込めるようになった。博士論文もパスし、今では地方の名門大学の専任講師だ。
「ナースは転勤もOKだし、研究者と違って売り手市場で給与もよい」と仲間内でうらやましがられている。お茶の水周辺は東京医科歯科大など大学病院が集中しており、「日本一、未婚の看護師の密度が高い」。
看護師の平均年収は450万~500万円。かなりの人手不足で「失業知らず。全国どこでも募集がある」という。
都内のある大学院の医療系の男子学生は、稼ぎがよい妻を持っている学生同士で、「恐妻組合」という飲み会をつくり、「うちの女房はこんなに怖い」と自慢し合っている。
子育ても含めて、かゆいところに手が届く、そんなケアを心がける自分は、稼げるオンナに選ばれるという自信もある。
「仕事で疲れた女性を気持ちよくさせ、よく気がつき、優しく女性を守って癒やせる才能が必要」だという。妻たちも「いずれは立派な学者になる」と「先物買い」しているから、「学生主夫」に優しくできるようだ。
AERA ※2013年5月20日号