録音データには元平氏がA氏 に厳しく、詰め寄る様子も残っていた。

「じゃあ(犯人が)キミじゃないと、誰やと思う」

「まあ僕は一つの秘密漏洩にあたる。となると簡単にすむ問題やない」

「もうホント、いきつくところなってきたら、ホンマに懲戒処分せざるをえなくなってくる。そしたら変な話、名前は出る。犯人探しをしたいワケじゃないけど、そこまでいってしまったら、その人の人生おしまいや」

 そこで記者は池田市役所の副市長室に行き、元平氏を直撃した。元平氏は「10月29日のことはあまり、よく覚えていない」と回答。

 記者が「訴訟をするとか、懲戒免職、人生おしまい、と言ってませんか。それは職員への脅し、パワハラじゃないですか」と質問すると、元平氏はこう否定した。

「懲戒免職なんて絶対に言ってない」

 真偽を確かめるために、記者がスマートフォンで録音データを元平氏の目の前で再生した。

 聞き入る元平氏は「私の声ですね。言ってますね」と前言を翻した。
 副市長という池田市ナンバー2の立場なのに、他人事のように回答していた。

 そしてA氏への聴取について、こう弁明した。

「冨田市長から事前に『こうして聞け』と指示があり、それに従いA氏から聞いた。2、3分くらいだった」

 だが、録音データには10分近く、元平氏がA氏を問い詰めている音声が残されている。

 記者は百条委員会の証人尋問に応じた秘書官職員のA氏も直撃した。

「百条委員会が続いているので…。正直に記憶のある通りに話しました」
と話すA氏にさらに畳みかけた。

―動画や情報流出はA氏と言われているが?

「私ではありません。T氏を通じて市長も私が犯人と言っていると聞かされましたが、そうではありません。犯人でないなら、証明をしろ、真犯人を見つけろと、市長に恨みがあるだろうとまで言われました」

―元平氏や市長の後援会長に脅された?

「確かに怖かったです、失職するのかと思った。秘密保持契約書には犯人と思われるのは嫌だったのでサインするしかありませんでした」

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