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42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から3年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回はドラマ撮影の裏側について。
【令和も変わらぬ家庭の大問題「ドラマのあのシーン」…唐橋さんの行動は?】
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日々、ドラマの撮影をしている。ドラマの撮影というのはとても時間がかかる。
まず撮影現場まで移動(現在撮影しているドラマだとだいたい1時間)。
メイク、着替えなど準備(これもだいたい1時間)。
リハーサル、テスト、本番。
これはシーンによるが、1カットごとにカメラ位置や照明などのセッティング変えをしながら、2時間ほどかけて、1分程度のシーンが撮り上がる。
4時間かけて1分。いや、1分撮れれば良い方だ。
みなさんが目にする、編集して仕上がったドラマの1カット1カットの間には膨大な時間が隠れている。そしてドラマの裏側のドラマが。
脚本家の苦悩や、スケジュール調整に四苦八苦するチーフや、監督、役者、脚本家、時に原作者、上司の間に挟まれ東奔西走するP(プロヂューサー)。
連続ドラマであればおよそ3カ月、長い時間を共に過ごし作品作りをするのであるから、そこには様々なドラマが生まれるのだ。
小競り合いも勃発すれば、感動の瞬間や、笑いも生まれる。
時にそれはドラマ以上にドラマチックなのだ。
さぼって寝ていたのを監督に見つかって大目玉くらったADがいた。
大事な撮影小道具を預かったまま、音信不通になったスタッフがいた。
ヤギ小屋の中でヤギに威嚇され、時に噛まれながらも必死にヤギを誘導したチーフ。
公園で人止め(映り込まないように本番の間だけご通行の方に待ってもらえるようお願いする)をし、散歩中のチワワに吠えられ続けた制作部Aくん。
船に乗って半日海の上で撮影をした時には、半分以上のスタッフが船酔いし、船上からおええーと撒き餌を撒きまくった。
香港でアクションシーンを撮っていた時には、スタントがワイヤーで吊られたまま勢いよく顔面から壁に激突。おでこ陥没。大量の流血、なんてこともあった。
セットの中の容器に入れていた蛇が逃げ出し、撮影がストップしたこともあった。
めんどくさい人がめんどくさいことを言い出して撮影が止まることもままある。
正解のないものをみんなで創っていく作業だから、うまく歯車が廻らずに不安が蔓延するとこじれるものなのだ。
みんな、「良いものを作りたい」という気持ちは同じ。
だけどそこに向かう作業はみな違うから難しい。