■子どもが味方になってくれる伝え方の鉄則

 ママの幸せを構成する4つの要素、ふたつめは、「ありがとう」と思う気持ち。感謝です。

 これ、間違ってはいけないのですが、「感謝されている」ではなく、「感謝している」です。家族や自分と関わる周りの人たちに感謝をすると、その人自身が幸せになることが科学的にわかっているんです。もちろん、人から感謝されると嬉しいですから、どちらがいいか、という話ではなく、家族や周りの人に「ありがとう」と言うことは想像以上に皆さん自身に幸せをもたらしてくれる、ということを理解してほしいのです。

 まずね、「ありがとう」をたくさん言っていると、どんどん周りの人が皆さんの言うことを聞いてくれるようになります。

 自分が「ありがとう」と言われたときのことを想像してみてください。素直に嬉しいし、自分のことを大切に思ってくれているんだな、と思いますよね。これを「自己重要感」というのですが、感謝の言葉を伝えることは、相手に自己重要感を伝える、最強の方法なんです。

「最強」ってすごくないですか?

 例えば、仕事なら給料を上げる、昇進させてあげる、なども相手の自己重要感を高める方法ですよね? それよりも日々感謝の言葉を伝えるほうが相手の自己重要感を高めるのに効果的だった、ということなのです。

 相手に自己重要感を伝えることで何がいいかというと、相手が自分の言うことを聞こう、と聞く耳を持ってくれることなんですね。つまりこういうことです。

 自分のことを大切に思ってくれている→自分のことを認めてくれている→この人の話なら聞いてもいいと思う

 という流れです。これは子どもでも同じ。ちょっとしたことでも「ありがとう」という言葉を伝えれば、子どもの中に自己重要感が生まれ、ママの言うことを聞こう、という気持ちになるのです。

 子どもの「自己重要感」を高めることが大事なのは、親の言うことを聞くようになるだけではありません。むしろ、もっと大事なのは、子どもの「やる気」を引き出すことにつながるからです。何かを目指して頑張れるのは、「ここは心地よい」と思える「安心感」と「自分は価値ある人間だ」と思う「自己重要感」を持っている子です。だから「子どもにいちいち言うなんて」と思わずに「ありがとう」と言ってみてくださいね。

※星渉さんの新刊『科学的にイライラ怒りを手放す神子育て』(朝日新聞出版)から

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