この記事の写真をすべて見る
 7月23日から予定される東京五輪・パラリンピックについて、自民党の二階俊博幹事長が「感染状況次第で中止もあり得る」と発言し、永田町や霞が関で動揺が広がっている。

【写真】二階幹事長が推す? ポスト菅の大穴はこの人

「菅首相の訪米直前のタイミングでの発言ですから、深意を測りかねました。政局か、と困惑したところです。普通であれば叱りつけるなり、強く釘を刺すところですが、二階先生ですからね……。しかし、国民から見たら普通の感覚ですし、むしろ喝采を浴びたのではないでしょうか」(官邸関係者)

 二階幹事長は4月15日にCS放送に出演し、中止の選択肢もあるかと問われ、「その時の状況で判断せざるを得ない。これ以上とても無理だったということなら、これもう、スパッとやめなければいけない。オリンピックでたくさん感染病をまん延させたら、何のためのオリンピックかわからない」などと語った。

 これまで自民党幹部が東京五輪の中止に言及したことははく、二階幹事長の発言は速報され、大きな波紋を呼んだ。

「どんなことがあっても、東京五輪・パラリンピックは開催というのが菅首相の強い意志。それを菅政権の生みの親である二階さんが中止に言及するとは…。官邸や党は確認で右往左往だった」(前出・官邸関係者)

 あまりの大きな反響で二階幹事長は、「何が何でも開催するのかと問われれば、それは違うという意味で申し上げた」と火消しのコメントをすぐに出した。だが、それでも反響は止まらない。海外メディアでも二階幹事長の発言が取り上げられるようになり、瞬く間に世界中に「中止発言」が駆け巡った。

 大きすぎる反響に、二階派幹部は「ありゃ、やっちゃったという感じだな」と肩を落とす。

 二階幹事長は普段、定例会見などを除けば、マスメディアの取材にはほとんど応じない。幹事長担当の「番記者」の質問にもほとんど答えない。

「1年くらい張り付いても、記者の顔すら覚えていないこともある」
(番記者経験者)

次のページ
賛同が広がる二階幹事長の発言