飲食宅配代行サービスで働く配達員の「個別ナンバー表示」はプライバシー違反に該当するか。この法整備が大きな反響を呼んでいる。
コロナ禍で巣ごもり生活が長くなり、出前の需要が大幅に増えている。便利なことは間違いないのだが、一方で配達員による路上での事故、マナー違反が増加している。
千葉県40代の主婦は「子供を連れて歩いていたら、目の前を猛スピードでウーバーイーツのカバンを背負った自転車が走り抜けてびっくりしました。一歩間違えたら命に関わる大事故になる恐れがあった。急いでいるのか、配達員の方が自転車で赤信号を無視する場面も何度も見ました。何とかならないんですかね…」とため息をつく。
都内で働く50代男性も「車を運転していたら、一時停止の路地でウーバーの自転車が急に飛び出してきて危なかった。運転していた年配の男性が『すいません』って何度も謝っていたけど、明らかに自転車の運転が不慣れな様子だった。事故が頻繁に起きる理由が分かりますね」と苦言を呈する。
このような苦情が全国各地で少なくない。事態を深刻に受け止めた東京都議会が動いた。
都議会録画映像によると、都民ファーストの会の議員が3月9日の都議会予算特別委員会で、「目立つようになりましたのが自転車などで危険走行を伴う一部の配達員であります。問題は危険走向を見つけても(自転車は)車などと違ってナンバーがないため通報できないというようなことであります。例えば配達バッグなどにナンバーを付けるように促すべきと考えます」と提案した。
都幹部は配達員のバッグなどに個別のナンバーを表示するよう業界団体に要請する方針を明らかにした。この動きに、配達員から「ナンバー表示はプライバシーの侵害だ」と反発する声が上がったという。
飲食宅配代行サービスで働く配達員を狙い打ちした法制度で、顧客から嫌がらせを受けるカスタマーハラスメントがエスカレートするという懸念だ。この理論に同じ配達業に従事する労働者が異を唱える。
しかし、SNSやネット上では様々なコメントが噴出している。