

ミュージカル俳優・浦井健治が俳優生活20周年を記念したセカンドアルバムを3月にリリース。4月20日の記念コンサートを前に話を聞いた。AERA 2021年4月26日号に掲載された記事を紹介する。
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──「エリザベート」「マイ・フェア・レディ」など多くのミュージカル作品に出演。ストレートプレイや映像作品にも活動の幅を広げてきたミュージカル俳優・浦井健治。今年3月、俳優生活20周年記念アルバム「Piece」(ポニーキャニオン)をリリースした。4月20日には記念コンサートも予定している。
浦井健治(以下、浦井):20年でたくさんの人たちとの出会いがありました。演出家、プロデューサー、すばらしい先輩、仲間……。みなさんに励まされ、その背中の大きさを見つめて成長してきました。贅沢で幸せな20年でした。
──ミュージカル俳優としてその名を刻む浦井だが、そもそもミュージカル俳優になりたいと思っていたわけではなかった。
浦井:僕は(ユニットを組む)井上芳雄さんや山崎育三郎くんとは違って、声楽を志していたわけではありません。2000年に「仮面ライダークウガ」で俳優デビューした翌年、ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」で初舞台を踏みました。その後、04年の「エリザベート」で初めてミュージカルの発声を学んだのです。実はそれが決まるまで、僕はミュージカルを見たことがありませんでした。それで「レ・ミゼラブル」を見て……。そこから死に物狂いで発声を学んできました。
高校では軽音楽部でボーカルをしていましたが、芸能界へ進むきっかけは、当時レッスンを受けていたダンスの先生に「何をやりたいの?」って言われたことです。16、17歳の頃でした。
■育ての恩義に報いたい
──ミュージカル界では浦井をはじめ、井上芳雄や山崎育三郎、城田優など多くのスターが活躍し、今やチケットを取るのも困難だ。浦井もこの20年で「『ミュージカル俳優』が一つのジャンルとしてカテゴライズされるようになった」と言う。