「事前に(連絡は)ありません。事後も話を聞いていない」
4月22日、宮内庁の西村泰彦長官は、定例記者会見で、こう言い切った。
長官が指しているのは、眞子さまの婚約内定者の小室圭さんのことだ。小室家は、母親の元婚約者との間に金銭トラブルを抱えている。4月8日に、小室さんは「誤った情報を訂正する」として、28枚に及ぶ「反論文書」を出した。文書では、「解決金」を渡さない理由について、強い思いがつづられていた。
<どのような理由があろうと早期解決と引き換えに借金でなかったものが借金であったことにされてしまう事態を受け入れることはできない>そして、<将来の私の家族までもが借金を踏み倒そうとした人間の家族として見られ続けるということを意味します>
だが、4日後の12日に、事態は一転した。
まずお昼ごろ、元婚約者の代理人に一通のSMS(ショートメッセージサービス)が届いた。
「解決金の提案がある」
送り主は、小室さん親子の代理人である上芝直史弁護士だった。額面の提示や細かい説明はなかった。
まもなく、上芝護士は、都内で記者会見を開き、「解決金をお渡しする形で、この問題を終了したい」と解決策を明らかにした。
小室さん側の一連の対応は、あまりにチグハグで奇妙にすら映る。
前出の元婚約者の代理人は、こう感想を吐露した。
「先方の胸中はわかりませんが、世間の批判の強さは、予想外だったのかもしれませんね」
小室文書を出した当初、西村長官は「非常に丁寧に説明されている印象だ」「私もその一人で理解しました」と発言し、小室さんにおもねった。
だが世間は、長官と同じように「理解した」とは感じなかった。文書発表直後から、内容に「誠実さを感じない」などという批判の声が続出。4日後に示した「解決金」で、さらに批判の声がふくれあがった。
象徴天皇制に詳しい河西秀哉・名古屋大学大学院准教授は、こう分析する。
「あの4日間の急転換は、非難の大きさに方針転換を迫られざるを得なかった、と見るのが自然でしょう」