※写真はイメージです (GettyImages)
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コロナで売り上げが増えたモノ、減ったモノ (週刊朝日2021年5月21日号より)
コロナで売り上げが増えたモノ、減ったモノ (週刊朝日2021年5月21日号より)
食品・雑貨の「勝ち組」「負け組」 (週刊朝日2021年5月21日号より)
食品・雑貨の「勝ち組」「負け組」 (週刊朝日2021年5月21日号より)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、売り上げを大きく減らしたサービスや業種が多かった。そんな世知辛い世の中にあっても、マイナスがあればプラスもある。コロナ禍のニーズを追い風にしたものも少なくない。最初の緊急事態宣言が出てから1年余り。今回は「負け組」を紹介する。

【コロナで売り上げが増えたモノ、減ったモノは?】

前編/コロナ社会の「勝ち組」は? 象印、シヤチハタ、無人ギョーザ店も】より続く

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 調査会社インテージが20年の1年間でスーパーやコンビニ、ドラッグストアなど全国約4千店で扱った食品や雑貨などの商品(家電などは除く)のうち、前年と比べた売上高の伸び幅や落ち込み幅がそれぞれ大きかった30位までを集計した。

 落ち込みが大きかった「負け組」は、「口紅」(1位)、「ほおべに」(3位)、「ファンデーション」(5位)といった化粧品関連が目立った。

「訪日外国人客(インバウンド)の減少と、外出自粛やマスクの着用が大きな要因です。化粧品のなかでも、『パック』(15位)や『乳液』(16位)、『美容液』(21位)、『化粧水』(29位)といった普段のメンテナンスに必要な商品群の落ち込みは比較的小さかった」

 インテージの木地利光・市場アナリストはこう解説する。

 下落率2位の「鎮暈(ちんうん)剤」は、乗り物などの酔い止め薬のこと。売り上げが減ったのは、旅行の機会が少なくなったためだという。「強心剤」(4位)、「ビタミンB1剤」(11位)、「目薬」(22位)などの市販薬も、インバウンド減少の影響で伸びなかった。

 運動する機会が減って、「ミニドリンク剤」(12位)や「スポーツドリンク」(17位)、「制汗剤」(19位)などの売り上げも減った。

 木地さんは今回のランキングを次のように分析する。

「個別の商品単独でなく、品目・ジャンル別に集計しているため、例年は上昇率や下落率の大きい商品群がこれだけ多く出てくることはない。コロナ禍による消費行動の変化の影響が、非常に大きかったことがわかる」

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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