次に「ちゃん」。こちらは「松ちゃん・浜ちゃん」「ウッチャンナンチャン」「聖子ちゃん」「サブちゃん」、さらには「KABA.ちゃん」など、多種多様な人がいますが、やはり鉄板は「ひばりちゃん」でしょう。しかし、個人的に推したいのは日テレアナウンサーの「ミトちゃん(水卜麻美さん)」です。その理由は次の「さん」で。

 三つ(君・ちゃん・さん)の中では一番かしこまった印象のある「さん」ですが、そんな特性も含んだ上で親しまれている「さん」付けの人たちがいます。人気司会者やアナウンサーです。久米さん・徳さん・みのさん・古舘さん・宮根さん・羽鳥さん・安住さん・安藤さん・有働さん。見事に皆「さん」付け。そして今やこのメンツに名を連ねる「ミトちゃん」。その異彩を改めて痛感する次第です。

 最後に、芸能界における最強の「さん」は、間違いなく「IKKOさん」でしょう。IKKOさんのことを「IKKOさん」以外の呼び方をしている人を私は知りませんし、数多いる「さん」付けの人たちよりも、「IKKOさん」には絶対的に揺るぎない何かがあります。どのくらい揺るぎないかというと、「一休さん」と同じくらい揺るぎない。

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

週刊朝日  2021年5月21日号

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