


コロナの感染対策として増えているのが「非接触」。街を歩けば、便利で安心な非接触サービスがあちこちに。AERA 2021年5月24日号では、近未来の買い物からアナログすぎる非接触の店まで様々な非接触サービスを紹介する。
【写真】東京駅に隣接するビルにオープンしたファミマの無人決済1号店
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噂の回転ずしは東京・新宿にある。1月にオープンした「くら寿司 西新宿店」。一見普通の「くら寿司」だが、入店すると出迎えてくれるのは店員、ではなく「受付機」。そう、ここは入店から退店まで店員と接することのない「完全非接触」のすし店なのだ。
早速、受付機のタッチパネルで人数を入力。すると、画面に触らずとも指を近づけただけで反応して、びっくり。3次元センサーで指の動きを感知し、画面に触れることなく操作できる「タッチレス仕様」になっているという。
席に着いていざ注文。相手はテーブルにあるタッチパネル。でも、「触れるのはちょっと……」という時は、画面に表示されているQRコードを自分のスマートフォンで読み取ればスマホで操作が可能となるのでパネルに触る心配もナシ。
■皿投入で自動チェック
食事が終われば精算。普通の回転ずしだと、ここで店員に皿を数えに来てもらわなければいけないがこれも自動化されている。テーブル上の皿投入口に食べ終わったすし皿を投入すると、自動で計算してくれるのだ。その後は、入店時に受け取ったテーブル番号の紙を持って出口にあるセルフレジへ。もちろんここもタッチレス。こうして、一言もスタッフと言葉を交わすことなく、すし店を後にした。
「うちが同業他社さんと違うのは、精算時のセルフチェック機能。同業他社さんは店員が精算時にお皿の枚数を確認に来ますが、うちはお皿を数えるシステムが完成しているのですべて自動で計算できます」
と、くら寿司広報部マネジャーの辻明宏さん。辻さんによれば、入店や会計時の「非接触化」は他の回転ずしでも始めているところはあるが、精算時のセルフチェック機能は同社独自のサービスという。皿を覆う抗菌すしカバー「鮮度くん」に取り付けたQRコードを、レーン上部に取り付けられた小型AIカメラが読み取っているのだそう。
元々くら寿司ではコロナ禍前の2019年7月ごろから省人・省力化を目的に「スマホで注文」の導入を始めた。そこにコロナが襲った。翌20年10月、池袋サンシャイン60通り店(東京都豊島区)を「大手外食チェーン初」となる「完全非接触型」に。西新宿店は、座席間の背もたれも高めに設定し、客同士の接触も低減させた。