竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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化粧品も数種類そろえるなど、日用品を充実させています
化粧品も数種類そろえるなど、日用品を充実させています

「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 コロナ禍での生活が長くなりました。リモートワークで平日の昼間を自宅で過ごすことが増え、「自分の町を中心に暮らすのも、いいものだな」と新鮮な気持ちを感じている方も多いのではないでしょうか。

 ローソンではご自宅近くでのお買い物ニーズに応えようと、生鮮食品や冷凍食品などのラインアップを充実させてきました。ですが、「日用品」ももっとあれば、自分の町での生活がさらに快適になるのに、という声も多いんです。

 コロナ前から「日用使い」のお店を目指していましたが、まだそこまでの需要はなかった。それがコロナで「買い物は近くのローソンで」という価値観が生まれてきた。そもそも、店舗は売り場の3分の1ほどが非食品。そこが昭和の時代と同じではもったいない。たとえば、「ローソンのあの化粧品が最高よ」などと言っていただける売り場に変えていく。それが、お客様からいただいたコロナ禍での宿題だと考えています。

 その化粧品。最近は男性も美容に気を使われる方が増えました。そこで昨年11月から、ナチュラルローソンで男性用スキンケアブランドを展開しています。化粧水や洗顔料、シャンプーなど。男性はもちろん、女性がパートナーの男性のために買われるケースも多いようです。

 女性用もファンケルグループと取り組んだ「ナチュラルローソン スキンケア」などがあります。コロナ禍でリップなどの需要は減りましたが、これからの季節は「マスク焼け」に備えた日焼け止めのニーズは高まります。「マスク生活だからこその化粧品」も必要でしょう。

 全国の店舗網を生かし、PB(プライベートブランド)を展開できることは大きな強みです。「ローソンが考える、皆さんの体にやさしく環境にもやさしい化粧品」を、今後も展開していきたいです。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

AERA 2021年6月14日号