全仏オープンの直前に記者会見を拒否したことで話題になった、女子テニスの大坂なおみさん(23)。丸山茂樹氏も記者会見の影響に共感する。
* * *
2013年に始まったこの連載も400回目を迎えました。これからも読者のみなさんに元気になってもらえるような話を提供していけたらと思ってます。改めてどうぞよろしくお願いします!
さて、今回は女子テニスの大坂なおみさんの一件に触れたいと思います。
彼女は全仏オープンの開幕直前に、試合後に選手に義務づけられている記者会見を拒否すると表明。1回戦に勝った直後の会見に出ず、その後SNSで鬱(うつ)病を患っていた時期があったことを明かし、「少しの間コートから離れるつもり」と、大会を棄権しました。
我々のゴルフ界だと、つらいときなんかはラウンド後の取材に「今日はごめんなさい」ってノーコメントで去ることもあるんですよね。でも共同記者会見を拒否する選択肢は僕の中にはなかった。だから大坂さんが拒否を打ち出したときには「何かがあるんだろうな」と思いました。
そしたら、その「何か」が鬱だった。そこまで追い込まれていたとは驚きました。
テニス界の事情がどうなってるのかは分からないんですが、事前に大会の運営サイドなり女子テニス協会に自分の事情を伝えておけばよかったんじゃないかな。その段取りをしておけば、きっと配慮してくれたんだろうと思ってます。
基本的にプロスポーツ選手は躁鬱(そううつ)があるんです。いいときは明るいけど、悪いときは悔しくてつまんなくて。我々のやってること自体が躁鬱病みたいなものなので、だからもちろん、彼女が記者会見に影響を受けるというのはよく分かるんですね。
今回のことで、みんなに余計な評価をされちゃった感じがします。もっとちゃんと心を開けるようになるまで、テニス界の人たちとともにこの難問を突破していくことを考えた方がよかったかな。まだまだ若いですし、これだけ期待値が高くてナンバーワンプレーヤーになってる訳ですから。グランドスラムのチャンスもある。いい形で解決できるのを祈ります。彼女のキャリアで一番いい時期ですからね。