東京五輪開会式1カ月前となった6月23日18時、過労で検査入院をした小池百合子都知事不在の東京都庁(新宿区)に過去最大規模のデモ隊が集結した。今回のデモは日本の反五輪団体だけでなく、次期開催都市のパリやロサンゼルスなどと連帯し世界同時多発デモとなっているという。「反五輪の会」に話を聞いた。
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――開催まで1カ月というところデモですが
本当に私たちは開催1カ月前まで“中止しろ”なんてデモをやっているとは思ってもみなかった。もっと前に中止の判断がされると思っていた。それなのにズルズルと開催が強行されていて、今までも五輪中止デモは何回もやってきたが、それを上回るオリンピック中止を訴えるたくさんの人たちが集まるようなデモをやらなければいけないだろうと今回立ち上がりました。
私たちはオリンピックの東京大会だけが中止されればいいとは思っていなくて、この東京大会への惨状を見ていると、世界中でこんなことが起こってはいけない。今日は6月23日。1894年にピエール・ド・クーベルタン男爵がオリンピックを創設した記念日としてIOC(国際オリンピック委員会)が「オリンピックデー」と定めた日です。それを利用し、「NOlympicDay(ノーオリンピックデー)」として2028年の開催国のロサンゼルスとか2024年のパリとか前回の平昌とかいろんな都市と連帯し、今日一緒に声を上げます。東京五輪は中止してほしいけど、今後のオリンピックも廃止して欲しいということを訴えるためにも世界中で声を上げる。
その他の都市で呼びかけに答えたのはウィーン、ベルリン、シドニー、ニュージーランド。国内では都庁だけでなく、横浜、大阪・釜ヶ崎、浜松、静岡でも抗議のスタンディングやデモを行っています。
――デモのスタート地点の東京都庁の小池都知事が過労で入院中です
私たちは東京五輪だけを反対しているのではないので、知事がいなくても問題はない。小池知事にはお大事にしてほしいですが、厳しい言い方をすれば過労で休養と言われても、一般の人たちもコロナ禍で過労の方もいらっしゃるだろうし、コロナがなかったとしても過労死も問題視されています。オリンピックで多くの人の生活が振り回されて、そのたびにどれだけの人が疲弊していったかを考えると、むしろ、“こっちが休養したい”という声が上がるのでは。休養しなくてもすむ生活にしていくのが都知事や政治の責任だと思います。