(1) 公共交通機関を使うことが求められているので、最寄り駅は子どもと教職員であふれることになる。外苑前駅には子どもたちを点呼する場所がない。あってはいけないことだけれど、狭いホームで、ドアに挟まれたり、ホームから落ちたりするなどの事故の可能性もある。
(2) 全員の手荷物検査・検温のために、子どもたちは国立競技場ではなく近くの秩父宮ラグビー場に集められることになっている。混雑を避けるため、最寄り駅ではなく一つ手前の駅から歩かせる学校も出てくる。暑さ厳しいなか15分以上歩いたうえ、ラグビー場で全員の手荷物検査・検温にどれほど待たされるのかわからない。ラグビー場に水筒を持ち込めるのかもわからない。水分補給はどうするのか。検温で37.5度以上ある児童にはどのように対応するのか。
(3) オリンピック会場は常温のペットボトルの水と遮光板が渡される。直射日光があたる場所もある。熱中症対策としては不十分だ。
(4) 座席が密集しているうえに、座席を空けて座るなどの対策が不明。3階以上の座席はかなりの勾配があり、前のめりになって落ちないか心配だ。
(5) 大変広い会場である上に初めての場所なので、トイレに行って戻る間に迷子になる子どもも出てくるだろう。
(6) 国立競技場内には集合して人数点呼できる場所がない。子どもが全員そろっているか把握できない。
(7) 幼稚園やこども園の幼児、特別な支援を必要とする障がいのある子どもたちの動員も計画されている。少人数の静かな環境で落ち着いた学びが必要な子どもたちに学校連携観戦は全く必要がなく、過酷だ。
七つの危険はどれも現場を見て初めてリアルに実感できる不安だ。こういう声を聞かずに「安全・安心」を意味なく繰り返し強行されようとしているオリ・パラは、やはり立ち止まるしかないのではないだろうか。せめて、子どもたちの観戦はやめさせてあげたい。
ちなみに東京都は学校連携観戦を強制はしていない。つまり辞退は学校ごとの判断でどうぞ、ということだ。オリンピックで一生の思い出をつくってね、でも強制じゃないですよ、あくまでも学校ごとのご判断で、と校長たちに判断が任せられているという。子どもたちが熱中症になっても、コロナに感染しても行政側は責任を取るつもりはないのだろう。