シンプルなインデックスファンド以外にも注目の投資信託はある。これら3本の基準価額、純資産総額は2022年9月9日現在。信託報酬は年率、税込みで、実質的なコストの合計に幅がある場合は上限を掲載。組み入れ上位の銘柄は2022年8月31日現在の各社月次レポートより。「iDeCoではどこで買える?」は主要な証券会社の場合。セゾン・グローバルバランスファンドは投資信託のフィーレベル・カテゴリーではパッシブに分類されるが、金融庁のつみたてNISA分類では「指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投信等)」に分類されている
シンプルなインデックスファンド以外にも注目の投資信託はある。これら3本の基準価額、純資産総額は2022年9月9日現在。信託報酬は年率、税込みで、実質的なコストの合計に幅がある場合は上限を掲載。組み入れ上位の銘柄は2022年8月31日現在の各社月次レポートより。「iDeCoではどこで買える?」は主要な証券会社の場合。セゾン・グローバルバランスファンドは投資信託のフィーレベル・カテゴリーではパッシブに分類されるが、金融庁のつみたてNISA分類では「指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投信等)」に分類されている

 セゾン投信の「セゾン・グローバルバランスファンド」にも注目だ。この投信は株式と債券に50対50で投資するバランス型。中身はすべてバンガード社のインデックス型投信だが、金融庁のつみたて NISAでは「指定インデックス投信以外のアクティブ運用投信等」に分類されている。

 投信評価会社などの「フィーレベル・カテゴリー」という分類では「バランス・パッシブ」となっていることもあり、厳密に「アクティブファンドです」とも言い切れないのだが、S&P500のようにシンプルなインデックス型投信ではないため、紹介することにした。初心者にも人気の投資信託だ。

 繰り返しになるが、この投資信託は「インデックス型投信を組み合わせたタイプ」である。

 株式では、米国S&P500のインデックス型投信が全体の31.2%を占める。債券も米国国債に連動するものが全体の27.8%。米国の株式と債券に全体の約60%を投資しているのが特徴といえる。

「最近の急速な円安でもわかるように、日本では米ドル建ての資産を持つことがインフレ対策になります。この投信の中身はすべてインデックス型。無理な運用はせず、絶妙なバランスで世界中に資産を分散する姿勢が鮮明です。攻守併せ持つ投信といえます」

28社に厳選投資の「おおぶね」

 もう一つ、iDeCoでも有望な投信を紹介しよう。確固たる投資哲学を持つ奥野一成さんがファンドマネジャーを務める「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」だ。

 運用会社は農林中金全共連アセットマネジメントと表記されているが、実質的な企業選択は農林中金バリューインベストメンツが行っており、同社の常務取締役兼CIO(最高投資責任者)が奥野さんである。「おおぶね」に対する桶井さんの分析は?

「組み入れ企業は28社に厳選されていて、選択と集中に徹しながらも業種は偏っていない点が素晴らしいと思います」

 おおぶねの組み入れ銘柄1位は全米シェアナンバーワンのスパイスメーカー、マコーミック。日本でもおなじみだ。2位はみんな大好き、ウォルト・ディズニー。

「テーマパークだけに頼らず、映画やストリーミング事業の強みもある。ミッキーやミニーは永遠に年を取らない最強のコンテンツです。安心して長期保有できます」

 そして3位はコネクターやセンサー、ケーブルの世界トップクラス企業である米国アンフェノール。

「確かな技術を背景に、優良企業の基準である営業利益率20%前後を維持している点がいい」

(構成/編集部・中島晶子、伊藤忍)

※『AERA Money 2022秋冬号』から抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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