設定がとんでもすぎて、中川大志がNHKのコント番組「LIFE!」やってる時と区別がつかない。
だいたい柊のライバル殺し屋「デス・プリンス」こと八乙女(鈴木伸之)。「殺しとはすなわち芸術!」とかのたまうくせに、その暗殺方法は美月の寝室にピンクのボール(風船)を放り込んでどんどんふくらませ、アロマキャンドルの炎で爆発させようとする。それ、バラエティーの罰ゲーム。
2話では屋台の水ヨーヨーを爆発させようとしていた。好きか、そんなに風船が。
せっかく漫画家のアシスタント役で田中みな実、柊の相談相手の刑事役には水野美紀が出ているのに、今のところまだ暴れる気配なし。
これがテレビ朝日だったらとっくに、田中みな実が眼帯して「許さなあああいっ!」と連呼して、水野美紀は「今度『え?』って言ったら燃やすよ!」って、柊にバケツの水ぶっかけてるはず。そう、トンチキドラマとしても、ちょいトンチキ不足だ。
しかし、まだドラマは始まったばかり。田中も水野も実は殺し屋かもしれないし、なんだったら登場人物全員殺し屋の可能性もある。最後は全員で心ゆくまで水風船爆弾を投げ合ってほしい。キュンはどこへ……?
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2021年7月30日号