中国のメディア関係者の女性は「不公平になる」と憤る。中国メディアはルール違反することはないのか。尋ねてみると、この関係者は笑いながら、こう答えた。
「もちろん街中を取材して、日本の食や伝統など色んなことを伝えたいですよ。ただ、ルール違反がバレて国外退去になんてなれば、国の威信を傷つけたとして、間違いなくクビになる。中国のメディアの待遇は良いですから、そのようなリスクは負わないでしょうね。ほとんどの人がルールを守ると思いますよ」
日本に長く滞在するフランス人ジャーナリストの男性も厳しい意見だ。マスクをせずに居酒屋でお酒を楽しむメディア関係者を見たとして、こう指摘する。
「日本もフランスが法律で厳しく規制したように、厳しく対応すればいいと思いますよ。コロナ禍で感染者数が急激に増えてきて、緊急事態宣言も出ている。危機的な状況であることをしっかりと示すべきだと思います」
自由に報道したいが、ルールは守るべきという葛藤が伺える。メディアのジレンマが続く悩ましい大会となりそうだ。(文/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)