小川:ありがたいです。でも、文化によって評価がわかれるところもあって、フランス、イタリアではとても共感していただいたんですけど、まだドイツでは翻訳されていません。食べることに対する向き合い方が違うのかもしれないな、と思いました。

林:なるほどね。小川さんって、もちろん本も人気あるけど、生き方がまるごと人気ありますよね。丁寧で静かな生活をしている作家で、女性のライフスタイル系の雑誌に引っ張りだこで、向田邦子さんを思い出します。女性のある種の理想の生き方を体現していて、皆さん憧れるんでしょうね。

小川:今は皆さん家で過ごす時間が増えていますけど、私はもともとそういう生活だったので、たまたま時代と重なったのかなと……。

林:ご自分で料理をつくり始めたのはいくつぐらいのときですか。

小川:大学で上京して、自炊を始めました。アルバイトも飲食店が多くて、料理を少しずつ習って、「おいしいってこういうことなんだ」ってだんだんわかってきました。つくるのが楽しいんです。

林:たとえば、原稿がすごく乗ってきたときに夕飯つくらなきゃならなくなって、「もう!」と思ったりすることないですか。

小川:私はおなかがすくまでを執筆時間としてるので、おなかがすいたらやめちゃいます(笑)。

林:夕飯は何時ごろですか。

小川:夕方6時前後ですね。その前に銭湯に行くんですけど。

林:えっ、自分のうちのお風呂じゃなくて?

小川:はい、平日は。

林:へぇ~。そして帰ってきて本を読んだりテレビを見たり?

小川:そうですね。ごはん食べたら寝るモードです。

林:たとえば都心でお酒飲んだり買い物に行ったりとかは?

小川:若いころはしてましたが、最近はあんまり。ベルリンにいたことが大きいかもしれないです。

林:お酒は召し上がるんですか。

小川:毎晩飲みます。たくさんは飲まないですけれど。

林:お芝居とかコンサートは?

小川:そういうのは行きますよ。私の中では金曜日の午後からが週末扱いなので、週末は外に行ったり友達に会ったりしています。

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