――メダルを見ていましたけど、金メダルはどうですか。

 私が本当に一番欲しかったメダルなので、すごくうれしいです。

――想像との違いは。

 思ってたよりはるかに重くて、中身も詰まっている重みもあれば、重量がすごいなと思いました。

――支えてくれたご両親への思いをお願いします。

 本当に、ずっとそばにいてくれて。本当に、支えてくれていたので感謝の言葉しかなくて、いつもはあまり恩返しができないんですが、二人でやっと少し恩返しができたと思います。

――観客としてはいませんでしたが。

 そうですね。別れ際に「頑張ってこい!」というふうに強い言葉をもらったので、今日は寂しくなく、画面越しに見てくれているというふうに、応援してくれているというのを心に留めながら気持ちで試合しました。

――それは今朝ですか。

 今朝です。

――イスラエルの者です。あなたにとって日本で、しかも由緒ある日本武道館で金メダルをとったことはどんな意味がありますか。

 私は日本人としての誇りをもって闘おうと覚悟をもっていたので、このメダルは、私にとっても、日本国民のみなさんにとってもすばらしいメダルになったんじゃないかなと思います。

――観客がいませんでしたが、寂しかったですか。

 少し寂しかったんですが、画面越しにみなさんが応援してくれていると信じて、今日は闘いました。

――決勝戦では担ぎ技をかなり警戒していましたが。

 ブシャール選手は強い選手であり、私のライバルであり、尊敬する選手でもあるので、肩車がうまくて、一度投げられたことがあったので、しっかりその対策をしながら、しっかりと自分の柔道をしようと考えていました。

――それは普段通りにやりきれたということですか。

 しっかり落ち着いて、相手を見ながら冷静に闘えたと思います。

(本誌・西岡千史)

*週刊朝日オンライン限定記事

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