菅義偉首相が8月6日、広島市内で記者会見し、東京五輪と新型コロナウイルス感染急拡大の関連性について「これまでのところ五輪が感染拡大につながっているとの考え方はしていない」と話し、波紋を呼んでいる。
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元東京都知事で作家の猪瀬直樹氏も4日、自身のツイッターを更新。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が都内を中心に感染者が急増していることについて、「オリンピックが人々の意識(気の緩み)に与えた影響はある」と発言したことを厳しく批判していた。
猪瀬氏は4日の衆院厚生労働委員会で尾身氏が発言した記事を貼り付け、「以下の尾身発言、エビデンスのない、科学的根拠とは無縁の発言ですね」とツイートした。記事によると、尾身氏は感染拡大の理由の一つにデルタ株の影響を挙げた上で、「長い間の自粛で人々がコロナ慣れして、緊急事態宣言のインパクトがない」と指摘。「政治のリーダーのメッセージが、必ずしも一体感のある強い明確なメッセージではなかった」と述べたとしている。
SNS、ネット上では、「この方は状況に対する分析力が本当に足りない人ですね。エビデンスはずいぶん後にしか検証できないし、その時には遅きに失している。状況を正しく理解し、判断するのが必要です。オリンピックが感染を直接広げている事は判断できないとは思うが、やっている事への不公平感や気のゆるみは大いにあることはエビデンスがなくても判断できる(原文ママ)」という意見がある一方で、「尾身会長の言っていることは正しいと思うけど、確かにエビデンスは無いことだし、専門家として政府に医学的、科学的なアドバイスする立場なのを考えると個人的な憶測であり不適切な発言だと思う。まぁ言っていることは正しいと思いますがね(原文ママ)」と猪瀬氏の意見に理解を示す意見も見られた。
「猪瀬さんは自分が東京都知事の時に東京五輪を誘致したことも発言の背景にあると思います。ただ、政府や自治体が緊急事態宣言で不要不急の外出を控えるように呼びかけているにも関わらず、東京五輪が開催されているので切迫感がないのは事実です。国民が不信感で耳を傾けなくなっている。これから感染爆発が起きても不思議ではない」(都庁職員)