2017年(平成29年)に、東京都オリンピック・パラリンピック準備局が公表した「新規恒久施設の施設運営計画」によると、各施設ともに、各競技の国際・国内大会の誘致・開催、アスリートの競技力向上、スポーツの普及、振興を図るとしている。もちろんスポーツだけではなく、コンサート会場やグルメイベントなどのエンターテイメントとしての活用もする方針のようだ。各施設によって異なるが、年間来場者目標は、最も多い「有明アリーナ」で140万人を見込んでいる。

 一方、仮設の施設については、今後どうなるのか。

 仮設の施設は自転車ロードレースの「武蔵野の森公園」、体操の「有明体操競技場」、自転車BMXやスケートボードの「有明アーバンスポーツパーク」、トライアスロンなどの「お台場海浜公園」、ビーチバレーの「潮風公園」、スポーツクライミングなどの「青海アーバンスポーツパーク」、馬術の「海の森クロスカントリーコース」、マラソンや競歩の「札幌大通公園」、サーフィンの「釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ」、射撃の「陸上自衛隊朝霞訓練場」などだ。

「原則として、仮設の施設については、すべて『解体』する方向にはなっています。さまざま理由はありますが、あくまでも『仮設』の施設ですので、耐用年数などの問題が大きいですね。近くで見るとわかりますが、そんなに長持ちするような作りにはなっていませんので。ただ、有明体操競技場に関しては、耐震構造的にも長期利用が可能な作りとなっておりますので、今後も残す予定では動いています。今後は都内中小企業の振興に資する展示場として活用する方針ですね」(東京都オリンピック・パラリンピック準備局の担当者)

■BMX会場は「木造」が多い

 では、今大会で大きな話題となったスケートボードで使われた「有明アーバンスポーツパーク」はどうなるのだろうか。

 先日、江東区の山崎孝明区長は定例会見で「都と『残す』方向で調整している」と語っていた。だが、都の準備局担当者は、「有明アーバンスポーツパークは現在、話し合いを進めている段階」と前置きした上で、こう続ける。

「いろいろと報道はされていますが、正式にはまだ何も決まっていません。ですが、都には、五輪終了後の有明周辺にアーバンスポーツゾーンを形成していくという構想もあるので、前向きには検討しています」

 ただ、BMXの会場については「難しいかもしれません」と明かす。その理由は?

「BMXの会場は木造で作られている部分も多く、耐用年数にも不安があります。そのまま使用するのはおそらく難しいでしょうから、もし、残すのであれば当然追加で費用もかかってしまいますからね。ただ、今大会、スケートボートと同じく、BMXも非常に注目を集めていましたので、今後の競技人口の増加や話題性などを考えると、残る可能性もゼロではありません。耐用年数だけじゃなく管理維持費や大会後の利用者の見込みなども考慮し、今後、慎重に検討を進めていきたいと思っています」

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BMXの練習場所が少ない