前回の総裁選には、安倍氏の急な辞任という背景があった。安倍氏は今回、誰を支えるのだろうか。 稲田氏はまだ弁護士だった2005年夏、自民党保守系若手の議連で講演した時、そこに安倍晋三前首相がいたのがきっかけで、議員としてスカウトされた。

「安倍さんは昨年、体調を崩して辞められて、そのあとを菅さんが引き受けてやられている。だから菅さんを応援すると思います」

 ところで、自民党結党以来、総裁選に女性が立候補したのは過去に1度しかない。高市氏は 月刊「文藝春秋」の誌面で“出馬表明”し、立候補に向けた準備をすすめているとみられる。

 高市氏は、稲田氏が会長を務める「伝統と創造の会」から分かれて「保守団結の会」を設立。稲田氏が共同代表を務める「女性議員飛躍の会」とは別に、女性議員たちの「絆を紡ぐ会」を作ってもいる。 一部では稲田氏と高市氏は「不仲」などと言われているが。

「女性議員が総裁選に手をあげるというのは、すごくいいことだと思います。高市さんとは憲法改正であったり、保守の政策であったり、私の考えと一致するところがたくさんあると思っています。私が提唱している選択的夫婦別姓についての新制度『婚前氏続称(こんぜんうじぞくしょう)制度』と、彼女が提唱している『旧姓の通称使用』は、考え方自体はあまり変わらない」

 賛同できるところが多いならば、今回の総裁選では高市さんを支持するのか。

「女性活躍についての考えや経済・財政に関する考え方は違うところもありますからね。ははは」

 26日には、岸田氏が立候補を表明した。稲田氏と同じ自民党派閥の「清和会」からは下村氏が出馬に意欲。派閥の論理で、支援に回るのだろうか。

「複雑な政局になるので、ちょっと現時点ではわかりません」

 最後に、稲田氏自身は今回出馬しないのかズバリ聞いた。

「自分の考えている“強くて優しい国”を作るには、総理になるしかないし、なりたい気持ちはもちろんあります。しかし、今回ではないですね。今はその時ではないなと思ってます。まだまだ、コロナ禍が続くでしょうから、政治家としてはその対策・対応への協力が優先です。また、自民党に対する不信感もある中で、しっかり地元でも説明をしていくということが求められていることと思っています」

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