今年2月には誕生日会見に臨んだ天皇陛下が、「秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております」と話したものの、小室さんの代理人弁護士が言い出した、「解決金」の進展もない状況では、国民が納得し喜ぶ状況にはほど遠い。

 にもかかわらず、なぜ結婚にGoサインが出たのか。

 皇室を長年見てきた人物はこう話す。

秋篠宮さまの姿勢は、決してブレていません。家と家の儀式である納采の儀は、行わない。だが、両性の合意に基づく結婚は憲法で保障された権利である。ならば、結婚も自分たちの責任で行うべき、というお考えは一貫している。実は、秋篠宮さまは子煩悩な父親というよりは、子どもに自立した生き方を求めている方です。一般の家庭で30歳になろうという娘の結婚を、父親がいつまでも反対していたらおかしいでしょう。眞子さまが結婚を望むのならば、自分の力で生きて行きなさい、ということでしょう」

 一時金については、眞子さまは1年半以上前から「受け取らない」と口にしていると記者も聞いていた。しかし、受け取らないことが「後ろ指をさされず結婚できる」理由にはならないだろう。

 婚約延期の原因となった金銭トラブルについて、結局、小室さんは一方的に自分の主張を文書で行っただけだ。元婚約者と向き合い、真摯(しんし)に話し合いをする姿勢はついに、伝わってこなかった。

 気になるのは、宮内庁が「年内結婚」にむけた調整に入ったと報じられた点だ。

 「解決金の件は、まったく進んでいない」にもかかわらず、結婚が進んでもよい状況になったと判断されたということだ。

 つまり元婚約者との「金銭問題の解決」は、「ふたりが結婚するために乗り越えるべき条件」とは見なされなくなったということだ。

 宮内庁そして秋篠宮さまと眞子さまは、「元婚約者男性に対して解決金を支払う必要もないし、相手が納得するような誠意ある対話をする必要もない」と判断したということなのだろうか。

「このまま解決金が支払われず、忘れ去られることもあるかもしれませんね。元婚約者には気の毒ですが…」(代理人)

 眞子さまの儀式なしの結婚は「異例」と報じられている。だが、前代未聞なのは、儀式を行わないからでも一時金を受け取らないからでもない。

 元婚約者男性は、小室家との金銭トラブルでマンションを手放した。
 72歳になった男性は、家賃と生活費を払うために毎日働いている。
 この高齢男性の悲痛な訴えを、「なかったことにしようとしている」からではないだろうか。
 
 だとすれば、眞子さまの結婚は、「異例」ではなく「異常」事態にすら思えてしまうのだ。(AERAdot.編集部 永井貴子)